ありのままの自分って憧れるんだけど、アホになるって、その自分に慣れるまで、傷だらけになりますよねー。わたしは、なりました。今も、なり続けてるかも。
特に、嬉しいとか楽しいとかすごい!という感情。これをあらわにするのなんて、賞賛された人「きっとドン引きよね」なんて思い込んで「嫌われた、、、」と凹むし、周囲の人たちに対しても「にこやかに笑いながらも、実は、どこか冷ややかな思いがあって、陰では「あの人スゴいよねー。わたしムリ」とか噂してんだろうなぁ」なんて思い込んで、凹む。
しかも、「え?わたし、そんな悪人じゃない」と言われて、ああ、そうよ、わたしはなんて酷い妄想をするんだ!と、自分を責めて、また凹む。
まったく。「わー!すごいー!楽しいー!嬉しいー!」と表明した直後に、毎度地獄行き。ドラキュラのように、昼間はもう誰にも会いたくない。むしろ、棺桶の中で永遠の眠りについていたい。そんな気持ちになります。
怖い。つらい。いたたまれない。ゆるしてください。感情をあらわにしてごめんなさい。素直にしゃべってごめんなさい。無邪気に振舞ってごめんなさい。
哀しいですよねぇ。誰に謝ってるんだって話ですよ。知ってますよ。お父さんお母さん、ごめんなさいって謝ってるんですよ、わたし。なんて可哀想な。
それはひとまずさておき。
憧れてたり尊敬してたり素敵だなぁって人と親しくなんて、絶対できない。直に話すなんて、絶対できない。ムリ。
いや。
ホントは親しくしたい。ホントはおしゃべりしたい。超したい。けど、絶対ムリ。できない。
親指ほどの大きさにしか見えないくらい遠くからなら大丈夫。そこからなら、いくらでも「キャー!すごーい!すてきー!」と黄色い声をあげられる。安心。心安らか。
なーんて、怖れにとらわれまくって、自己嫌悪にいそしみ、自己否定にやっきになってると、素直で無邪気な人、さわやかに登場。そして彼、彼女らは、こともなげに、素直に無邪気に、油揚げをかっさらっていきます。
油揚げ。それは、喉から手が出るほど、わたしの欲しいもの。
わたしの場合は、対等に話せることとか、距離感が心地よいこととか、怖れがないこととか、とかとかとか。
ながーい引きこもりを脱して外に出て来たはいいけど、人とのコミュニケーションが全然うまく取れなくて、ほとほと疲れて、困り果て、哀しくって哀しくってたまらなくて、なんとかしようとめちゃくちゃ頑張って来た。
だけど。
力んだままで、全然、自然体のわたしじゃない。気の置けないコミュニケーションなんて、出来ない。なんか気まずくなる。緊張が走る。
なのに!あの人が!あの人も!やってる!出来てる!そして!あの人と!あの人たちも!楽しそうに!話してる!笑ってる!
ガクッ(死亡
ああ。わたしがもっと、ありのままの自分だったなら。わたしがもっとアホだったなら。でも、ありのままの自分への道って、なんでこんなにイバラの道なん?なんでこんなに傷だらけになるん?
泣けてきます。
それで、台所でお皿を洗いながら思ったんです。
「食べたい油揚げは、かっさらわれる前に、全力で食べ尽くすつもりでいた方がいいよね」
これこそ、自分の「やりたいこと」に肚を括るってことじゃない?と。そうか。なら、全力で食べ尽くすぞ、おー!という選択をしつづけるコミットメント―!おー!と、鼻息を荒げてみたり。
が、しかし。いや、待てよ。
全力で喰い尽くさないとって思うのは、そもそも油揚げが少なすぎるからそうなるんじゃない?じゃぁ、「油揚げの島」へ移住するっていう手もあるんじゃない?
そこでは油揚げがザクザク採れるから、気が向いたときに採りに行けばいいかもしれないし、なんなら、油揚げを安く売ってる人もいるかもしれないから、買えばいいかもしれない。そしたら、血眼になって食べる必要ないよね。それに、トンビ捕獲業者ってのがいるかもしれない。あるいは、そもそもトンビのいない島もあるかもしれない。さらにそもそも、油揚げなんてなくても全然平気な、美味しい揚げ物にあふれた世界があるかもしれない、、、。
ここまで来ると、もうなんの話か分からなくなって来るんですが、そうこうしてるうちに、油揚げなんて、なんだかもうどうでもよくなって来ました。
考えることに飽きたというか、考えることが面倒になって来たというか、皿洗いが終わって水に流れたというか。
それで、思うのです。どうしても食べたい油揚げは全力で食べたほうがいい、そう感じるなら全力で喰い尽くしに行くし、旅先で安かったらお土産に1つ買って帰ろうって気分なら、それでいいし。
それでいいやー。自分の好きに任せよう。なるようになるでしょう。
ありのままの自分、アホになる、自然体でいるって、たぶん、そういうことなんだと思います。
感嘆の声をあげて大いに笑い、そんな自分に気づいて凹み、人の目に怯え打ち震えて泣き、自己嫌悪と自己否定ととっくみあって疲れ果て、翌朝、鏡にうつる泣きはらした目の不細工な自分にまた泣き笑いする。そして、仕方ないよね、まぁいいかって気を取り直す。
そんな毎日の繰り返し。
愛しい人よ。それでいいのだ。