素顔のわたしでラク~に生きる!クリスチャン心理カウンセラーの愛夫家りおです。
大学院卒・元国語教師のわたしが、「あなたの物語」を共にたどり、愛と命と光につながるお手伝いをします。
主は心の打ち砕かれた者をいやし、/その傷を包まれる。(旧約聖書「詩編」147:3)

自己肯定感を育てていくうえで、「好き」という感情を認めていくことは、とても大切です。
それは、とても小さなことのようでいて、自分を大切にする入口にもなると思っています。
けれども、そういうお話をしていると、こんな声を耳にすることがあります。
「自分の感情がわからない」
「自分の好きがわからない」
あなたにも、そんな感覚はあるでしょうか。
「好き」を大切にしましょうと言われても、その「好き」がわからない。
好きなことをしていい、と言われても、何が好きなのかわからない。
好きなものを選んでいい、と言われると、戸惑ってしまう。
そんな、「好きがわからない」体験。
それは、「好き」がないからではなく、「好き」という感情や感覚を、自分で受け取る回路が、今は見えにくくなっている状態なのかもしれません。
前回の記事では、その理由として、まず次の2つを考えました。
ひとつ目は、自分で選ぶ経験が少なかったこと。
ふたつ目は、「好き」と言うために、何かの証明が必要だと思い込んでいたこと。
どちらも、自分の中にある感情をそのまま受け取る前に、誰かの期待や、頭で考えた基準を優先してしまう状態だったといえるでしょう。
(自分より他人を優先する他人軸になっていたり、感情より思考で判断しがちになっていたってことね)
今日は、その続きです。
「好きがわからない」ときであっても、感情の小さな反応は、実はたくさんあるのだと思います。
けれども、その反応を受け取る前に、わたしたちは自分で打ち消してしまうことがあります。
また、傷つかないために、「好き」そのものを隠すことが癖になっている場合もあります。
今日は、そのあたりを少し詳しくお話してみますね。
3. 小さな反応を、受け取る前に打ち消していた
「好き」がわからない原因の三つ目は、自分の中に出てきた小さな反応を、受け取る前に打ち消していたことです。
前回に続き、エレクトーンを習っていたわたしを例にしてみますね。
わたしは、幼稚園の頃から高校3年生まで、エレクトーンを続けていました。
あと一歩で講師級というレベルの、6級も取りました。
でも、その途中で、
「わたしは、これが好き?」
「今、弾いていて楽しい?」
「本当は、どう感じてる?」
と、自分に聞くことはあまりありませんでした。
そんな習慣がなかったという感じです。
もちろん、感情の小さな反応はたくさんあったと思います。
でも、わたしはそれを、かなり早い段階で打ち消していたように思います。
「なんか、これがいい」
そう思っても、すぐに、
『いやいや、そんな曖昧な気持ちで選んじゃだめだ。』
『もっと慎重に考えなきゃ。』
というふうにです。
「いたように思う」というのは、こういう打ち消しを、エレクトーンに限らず、日常のあちこちで、自分でも気づけないくらい自然に、自動的にやっていたからです。
(自己肯定感をあげていく取り組みの中で気づいて、その多さにビックリしたよ!)
小さい頃から「いい子」をしてきた方、周りから「頑張り屋さんだね」「まじめだね」と言われる方、自分に厳しい方には、思い当たるところがあるかもしれませんね。
このような自分を律する在り方は、別の言い方をすると、正解主義や完璧主義、理想主義が強い状態とも言えそうです。
「正しい選択をしなければ」
「ちゃんとしなければ」
「中途半端ではいけない」
そんな思いが強いと、感情の小さな反応や、ちょっとした違和感は、すぐに押し流されてしまいます。
このように、「好き」がわからないときは、好きなものがないのではなく、自分の小さな反応を受け取る前に、正しさや理想などで打ち消しているから、かもしれません。
そうであるなら、自分の中に出てきた小さな反応に気づくところから始めていくと良さそうですね。
「そんなんじゃダメ」がでてきたら、合図だ!と思ってあげる。
「~しなければ」が出てきたら、チャンスだ!と思ってあげる。
そして、
「今、わたしはどう感じた?」
「あ。今、わたしはこう感じてるんだな」
と、受け止めてあげる。
そうしていくうちに、「好き」という感覚も、少しずつ取り戻していけるのだと思います。
4. 好きを抑えてきた
四つ目は、子どもの頃から「好き」という感情を抑えてきた場合です。
好きと言っても、尊重されなかった。
好きと言うと、からかわれた。
好きと言うと、それを利用された。
そんな経験が重なると、好きは外に出さない方が安全になります。
わたしにも、少し思い当たるところがあります。
わたしの父はとても厳しい人で、幼い頃から逆らうことのできない存在でした。
いつどんな理由で怒鳴るか分からない、という一面もありました。
だから、もし怒られて、
「言うことを聞かないなら、取り上げるぞ!」
とでも言われようものなら、わたしにはもうどうすることもできません。
だから、「好き」はなるべく隠さなくちゃいけない。
(不愛想にならないよう、自然な感じでね)
また、母は、厳しい父に忍耐強く黙ってついていく人でした。
でも、父よりは話しやすく、優しい、という印象もありました。
だからなのか、母に嫌味を言われたり、からかわれたりすると、えぐられるほどつらいという感じがありました。
(母は、わたしの味方ではないんだなぁと泣きたくなる感じよ)
家にはそんな緊張感がありました。
なので、わたしは、自分の中にある「好き」をあまり外に出さないよう、注意深くなっていったように思います。
また、中学高校にもなると、家の中だけでなく、家の外でもなかなか大変でした。
たとえば、ただ楽しそうにしているというだけで、嫉妬や噂の的になったりするからです。
(女子のひそひそ話や同調圧力って強烈だったなぁ…)
笑っているだけで目の敵にされる。
男子と気軽に話しているだけで悪口を言われる。
面倒くさいなぁ!!!
だから、「好き」にまつわる感情は、なるべく隠す癖がつきました。
家での暮らしや思春期のことを思い返すと、わたしにとって、「好き」を隠すことは、自分の自由を守る方法でもあったのだなと思います。
なんとも健気で、切なくもなってきます。
ところが、「好き」を隠そうとし続けていると、だんだん、自分でも何が好きなのか分かりにくくなっていきます。
というのも、「好き」は感情だからです。
しかも、「好き」を抑えるということは、感情そのものを抑えることです。
だからそのうち、好きだけでなく、嫌いも、うれしいも、しんどいも、感じにくくなってしまいます。
すると、一見したところ、親の前でも、同級生や先輩の前でも、あまり動じない人のようになっていきます。
自分の体調の不良にさえ、気づけなくなっていきます。
こうして、手のかからない、しっかり者のいい子ができあがっていくのですね。
「鎧や鉄仮面を身にまとったような、武闘派女子のわたし」いっちょ出来上がりー!というカンジです。
大丈夫そうに見えるけれど、内側では、感じることをずいぶん止めて、無理をしていたのだろうなと思います。
わたしは、30歳になって仕事を休養することになって、そのまま17年も引きこもってしまいましたからね。
あなたは、今、大丈夫かしら?
もちろん、体験の形は人それぞれ違います。
でも、わたしのように、家庭や学校の中で、自分を守るために感情を隠してきた人は、少なくないかもしれません。
そして、その結果として、今、「好きがわからない」と感じている場合もあるかもしれません。
そうであるなら、「好きがわからない自分」はダメだと責めるのではなく、一緒に労ってあげたいものですね。
好きと言えなかったこと。
好きなものを隠してきたこと。
感情を表に出さないようにしてきたこと。
それは、当時の自分にとって、生きるために必要なことを、一生懸命していただけなのですから。
だから、その頃の自分に、
「よく頑張ってきたね」
「そうするしかなかったんだね」
と声をかけてあげて、つながっていきたいものですね。
(こうして自分とつながることは、癒しにもなるよ)
そして、今はもう安全だと思える場所で、自分の好きや嫌いを言葉にしていく。
そこから、「好き」という感覚を取り戻す道が、少しずつ開けていくのではないかとわたしは思っています。
次回につづく
ここまで、「好きがわからない」理由として、さらに二つ見てきました。
ひとつは、自分の中に出てきた小さな反応を、正しさや理想で打ち消していたこと。
もうひとつは、傷つかないために、「好き」という感情そのものを抑えてきたこと。
どちらも、「好き」がないというより、自分を守るために、「好き」という感覚を受け取りにくくしてきたものでした。
次回は、残りの二つの理由について書いて、このテーマをいったんまとめたいと思います。
一緒に、あなたの「好き」を探しにいきましょう
「自分の感情がわからない」
「自分の好きがわからない」
そんなテーマに向き合うとき。
ひとりで考えているだけでは、なかなか先に進めないこともあります。
もしよかったら、あなたがこれまでの人生の中で、自分の感情や感覚とどんなふうに関わってきたのか、お話を聴かせてくださいね。
カウンセリングでは、答えを急いで出そうとしなくて大丈夫です。
お話される言葉のひとつひとつ、そこにある感情を一緒に確認しながら、自分の感覚を取り戻していく時間にしていきましょう。
愛夫家りお
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